溺愛御曹司の罠  〜これがハニートラップというやつですか?〜

「でも、花音さんいいよね。
 可愛いし、面白いじゃん」

 まあ、面白いな。

 そこで戻ってきたマスターが口を挟んでくる。

「なに?
 良は花音ちゃん、お気に入りなの?」

「だって、スタイルいいし、面白いじゃん」

「……結局のところ、面白い、しかない気がするのは気のせいか」
と言うと、

「そこ、重要ポイントでしょ」
と良は皿を手に振り返る。

「一緒に暮らすんなら、一生楽しく暮らせる相手がいいよ」

 確かに楽しく暮らせそうだが。

 こいつの頭の中で、話が結婚まで走ってるのは珍しいな、と思った。

 ふと見ると、花音は、軽くお酒に口をつけながら、パンフレットを眺めている。

 確かに、良が言った通りの人物像に見える。

 誰とも話していなければ……。

 花音じゃないが、ずっと側に居るのも、ちょっと緊張するので、こっちに来てみたのだが。

 しょうがない戻るか、と歩き出すと、花音がそれに気づいて、微笑む。

 なにかこう、癒される微笑みだった。