夏樹は彼氏がいるんだよ?

わかってるよね?

そう叫びたくなった。

初めて、流星くんの隣がいやだと思った瞬間だった。

だけどその一方で前より仲良くなった。


「りゅぅせいくんっ!ばぃばぃっ!」

「………」

隣のクラスの女の子が帰りに声をかけた。

見事にガン無視、こっちを見もしない。

「流星くん、ばいばい!」

初めて、こんな大勢の前で言った。

無視されるんだろうな、

「…じゃあな、」

その言葉に思わず笑顔が浮かんだ。

「うん!じゃあね!」

「…っふっ。」

そのまま私は帰路に着いた。

嬉しくて嬉しくて、笑顔がずっと溢れていた。