「航太くん!?」

 深央加が目を見開いて声を上げる。

 何で?

「クラスがうるさいって思ったら、何の

騒ぎだよ?」

 深央加も私も硬直して何にも言えな

い。その代り、梨菜が話してくれた。

「紅音のスクールバックに深央加の財布

が入ってたの。でも紅音は絶対やってな

いのにみんなが責めるだよ!」

 そう言ってギッと深央加をにらみつけ

る。

「ち、違うの!あのね、深央加の財布を

盗ったの!」

 はぁ?

 もう限界。何言ってるの?

 そうやって棚に上げて。

 ほんっとに・・・。

「いい加減にして!!!」