「紅音っ!!!」

 優理が叫ぶ。その声にハッとした。

「・・・優理」

 泣きそうな声で、答える。

「どうしたの?」

 のどに重たいものが詰まってて、うまく

話せない。それでも、途切れ途切れに話し

た。

「何にも、できない。・・・好きなのに・

・・違うって言っちゃって・・・・それか

らギクシャクしちゃって、何にも・・・何

にも言えなくてっ」

 ・・・やだよ。

 何でいつもこうなの?

 言いたいこと言えなくって、臆病になっ

て、それでまた後悔する。それでも何にも

出来なくて。

「・・・知ってた。あの時、好きって言っ

てれば・・・こんなことにはなんなかった

のに」