このまま・・・?


 このまま、何にもできないのかな?

「やだ」

 声が漏れる。

 止められなかった。

「そんなの・・・」

 四人は不思議そうに私を見る。

 「そんなの、やだ」

 深央加と、ううん、深央加じゃなく

たって、誰かと航太が結ばれるのを、

黙って見てるなんて、そんなの。

「そんなの、嫌だよっ」

 そう言って屋上に駆け込む。

「紅音っ!?」

 慌ててみんなが追いかけてくる。私は

足が遅いから、すぐ追いつかれ

て・・・。

 
 腕を掴まれる。必死に振り払おうとし

た。