それでも好きなんです。

 精いっぱいの笑顔を浮かべて席を立

つ。

 そんな私を心配そうに、ばつが悪そう

に見送る楓達。なんか悪いことしちゃっ

たなぁ。

 はぁ、とため息ついてケーキを取る。

 確かに梨菜が言ってることは正論。私

だって図星だった。でも、やっぱり嫌い

になれない。諦めることなんてできない

よ。

 大好きなモンブランを見ても、食欲を

そそらなかった。

 傷つく、か。

 もうたくさん、数えきれないほど傷つ

いてる。

 やけに印象にのっこてるあの日だっ

て、航太の毒舌に傷ついていたっけ?

 
 数週間前

 みんなで遊んでいたときのこと。

 私はあんまり馴染めなくて、一人木

の後ろで立っていた。疎外感みたいな

ものがあって、なかなか和に入れなか

った。一人ぼっちで寂しくて、泣きそ

うなのを必死にこらえていた。