涼斗は少しためらってから、重い口を

開く。

「あのさ、俺・・・」

 意を決したように真っ直ぐ私を見る。

「南条、お前のことが好き」

 好き?スキ?suki?

[好き!?好きって、あの!?」

 ほかに何があるんだよ、涼斗はため息

をつく。

 う・・。

 頭の中がまんぱんになる。色んなこと

があり過ぎる。

 とても今、答えを出せそうじゃない。

 そのことに気付いたのか、涼斗は焦っ

たように言う。

「あ、今じゃなくっていいから!」

 そう言ってダーッと校舎へ走って行っ

た。