何か気まずいなぁ。
 
 そう思いながらも、今度こそ本人にプ

リントを渡す。

「これ」

「ん」

 何か超不機嫌そうな感じがしたが、口

を出さないでおいた。

「・・・・」

「・・・・」

 気まずい雰囲気のまま、どちらも何も言

わない。というか、私は何にも言えなかっ

た。

「おい、お前兄貴に何された?」

 ぶっきらぼうに言う航太をおどろいて見

る。

 それ聞く?

「別に何にも」

 言葉を濁していたら、そんな私にイラつ

いたのか、にらんでくる。

 その眼光に肩を震わせた。