「あのぉ」

 何となく耳障りの悪い甘ったるい声が

する。

 振り向くと、茶髪の形のいいカールの

髪の少女が立っていた。

「ん、何?」

 ダルイ、そう思ったが、愛想よく話を

聞くことにした。

「えっとぉ、涼斗クンにはらしがあっ

てぇ」

 知ってる。だから話しかけてきたんだ

ろ、と思いながら、聞き流す。

「あー、友達待ってて、話があるなら手

短にしてくれる?」

 友達が待ってるなんてもっぱら嘘だ。

「あ、うん!あのねぇ」

 猫な声で話す少女を横目で見る。

「私、涼斗クンのこと好きなの!付き

合って!」