責めているわけじゃないんだろうけ

ど、なんかむっとした。

 なんで謝んなきゃいけないのよ。何か

むかつく。何でよ。

「・・・でよ」

 小さなつぶやきは、最後の方しか聞こ

えなかったのだろう。聞こえねーよと、

相変わらずの毒舌。それさえもむっとす

る。

「何でよ。意味わかんない!」

 言ってしまった。止められなかった。

 航太が深央加の肩を持つのが嫌だった

の。

 どうして?

 心配してくれないくせに、深央加の事

は言うの?少しぐらい、少しぐらい優し

い言葉をかけてよ。

「・・・違うの。ごめん。でも、謝りた

くないから。謝んないから。」

 そう言って小さくもう一度ごめん、と

謝って、たたたっと教室に戻った。