という事は置いといて……

 なぜ速水はそんな事を聞くんだろうか。しかもみんなの前で。わけがわからん。

「良かった」

 と言って速水は、満足そうに頷いたが、何が良かったってんだろうか。俺が首を傾げていたら、速水は他の連中に視線を移した。そして、

「僕はあるゲームを提案したい。構わないかな?」

 と、誰に言うともなく言った。みんなはキョトンとし、呆気に取られた感じだ。もちろん俺もだけど。

「どんなゲーム?」と俺が問えば、速水は俺に視線を戻した。心なしか、いたずらっ子みたいな表情に見える。

「題して、”ラブゲーム”です」

「ラブ……ゲーム?」

 なんじゃ、それ?

「モテモテの三浦君が、指定した期間内に指定した女子を落とせるかどうか。それを賭けようと思います」

 ”モテモテ”って何だよ。しかも”提案”とか言いながら、まるで既定路線みたいな言い方しやがって、こいつ、何考えてんだ?

「はぁ? 冗談だろ?」

 俺は、つい語気を荒げてしまった。当然の反応だと思うけれども。