ご主人さまの冷酷彼氏



鼓膜をうつ、低い声。


どアップで見せつけられる、丹精なつくりの顔。



長いまつげに、薄茶色の瞳。


上品な、薄めのくちびる。



そのくちびるが、ふわりとくずれて。





「……一緒だな、俺と」





……その言葉を、聞いちまったとき。




あー、なんか。


負けたーっ!!つーか。



……敵わねーなって、思っちまったんだよ。




あかねがこいつを好きになった理由が、なんか、わかっちまったんだよ。




……ふいに見せられるギャップっつーの?



ふだんはクールなのにさ。他の人間がいるときはそっけないのに、二人きりのときは、すっげー甘いとか。



なにがあっても崩れなかった能面が、あかねの前でだけ、ゆるんだり照れたり、スネたりしてんのとか。



……それって全部、あかねのこと、すっげー特別に想ってるってことだろ?



あかねだけに、心を許してるってことだろ?



それって、なんか。


すっげえいいなって。最強じゃんって、思っちまったんだよ。