……あ、今さらだけど、ケンザブローって、おれの名前な。
って今は、それどころじゃなくて。
「……え。あかねんちのネコ?」
あわてて体勢を立て直そうとしていると、タカシの声が聞こえてきて。
おれはびくりと、体をこわばらせる。
「えっ、うん!びっくりしたぁ、なんでだろ?ついて来ちゃったのかな?」
「ふーん……」
……って、なんでこっちに歩いてくるんだよ!?タカシ!!
全身の毛穴から、いやな汗が噴き出す。
どうすることもできずに、ガチガチに身を固めていると。
「〜にゃ…っ!?」
ふいに体が宙に浮き上がり、おれは気の抜けた声をあげてしまった。
目の前には、タカシの顔。
……なんてこった。
おれはタカシの手によって、抱き上げられてしまっていた。
脇を抱えられ、うにょんと下に伸びた無防備な姿勢で、タカシの目の前にさらされる。
「……学校についてくるって。お前どんだけ、あかねのこと好きなの」



