ご主人さまの冷酷彼氏



ぎゅーっと。


タカシがあかねを、全部包むみたいに抱きしめた瞬間……おれはもう、完全にフリーズしていた。



……あ…頭が、追いつかねぇ。



あかねがほかのオスに抱きしめられてショックなのもあるけど……それだけじゃなくて。



……だれだよ、これ。



タカシじゃねーだろ。だって。



だってタカシ、あかねに超絶冷たかったじゃねーか。



ずっと無表情だったじゃねーか。



……なのになんか今、かわいくヤキモチ妬いてる男がここにいるんですけど。



とてつもなく甘い空気、流れてるんですけど……!!



あんまりにも驚きすぎて、呆然としていたときだった。


おれの体をはさんでいたドアが、ふいに、もう少しあいて。



「〜ふぎゃっ!?」



あろうことか、おれは変な鳴き声を出して、教室の中に飛び込んでしまったのだ。



「……えっ」



びたん!と床にはりついたおれに、短い、おどろきの声が上がった。


あかねの声だ。



「ええっ!?ケンザブロー、なんでここに……!?」