享祐はアトリエで茫然としていた。
盗聴器が外されてしまったうえに、寮に敦美の姿はない。
そして、冬弥に電話をかけてみた。
「忙しいとこ申し訳ない・・・敦美はそっちにいってないかな?」
「いたよ、さっきまで。
今はもういない。リフレッシュ休暇を与えた。
気持ちがはりつめていたからね・・・休ませてあげないと。
傍にいるはずの婚約者が、電話のみの連絡しかなかったことも、どこぞのお嬢さんと親しく抱き合っていたことも、彼女には何の落ち度もないわけだから、若さを武器に自由にさせてあげることもしないとね。」
「おい、若さを武器にって・・・だめだろ。
敦美は守ってやらないと、変なやつに騙されるかもしれない。」
「そうだな。本当の恋もろくにしらないまま、男の都合ばかりに振り回される年齢じゃないな。
少し大人になって大人の男を精一杯理解しようと背伸びしてたのに、他の女を大切にされたら傷つかないわけないよな。
あんな優しそうな顔は私は見たことがないって言ってたぞ。」
「えっ!!どうして、今頃そんな・・・。」
「敦美ちゃんは成長してるんだ。
あんたも先生をやってたならわかるだろう?
べつにあんたは女とベッドにいたわけじゃない。
けどな・・・敦美をしばりつけることもしちゃいけない立場だと思うけどな。
とにかく、ごたごたしてることをまずは片づけなよ。
そしたら、居所を教えてやるよ。」
「わかった・・・。これだけはわかってほしい。
俺は、敦美が嫌いになったわけでも、あのときの女性を恋人扱いにしたわけでもなくて、相手は幼なじみで花屋の長男と婚約解消になったことに泣いていたから・・・それなのに、同じ会社の店で働いてたから・・・かわいそうになっただけだ。」
「なぁ、どうしてその女長男と婚約解消になったのか聞いたのか?」
「いいや、まだそれは・・・。」
「もしかしたら・・・とんだ女狐なのかもしれないぞ。
花屋の長男とだめになって、まだ店にいて、それで享祐と会ったら抱き合って泣くって・・・何か思い出さないか?」
「それは・・・昔の俺の・・・。
まさか。彼女は一時向かいに住んでいた幼なじみで、よくうちに・・・うちに・・・なんで来てたんだろう。」
「敦美ちゃんはその辺が女の勘が働いちゃったのかもな。
まぁ、そっちのごたごたをまず解決してくれ。
じゃあな。」
「お、おい、冬弥!!敦美はどこだ!!
冬弥!・・・・・くっ、きられた。」
盗聴器が外されてしまったうえに、寮に敦美の姿はない。
そして、冬弥に電話をかけてみた。
「忙しいとこ申し訳ない・・・敦美はそっちにいってないかな?」
「いたよ、さっきまで。
今はもういない。リフレッシュ休暇を与えた。
気持ちがはりつめていたからね・・・休ませてあげないと。
傍にいるはずの婚約者が、電話のみの連絡しかなかったことも、どこぞのお嬢さんと親しく抱き合っていたことも、彼女には何の落ち度もないわけだから、若さを武器に自由にさせてあげることもしないとね。」
「おい、若さを武器にって・・・だめだろ。
敦美は守ってやらないと、変なやつに騙されるかもしれない。」
「そうだな。本当の恋もろくにしらないまま、男の都合ばかりに振り回される年齢じゃないな。
少し大人になって大人の男を精一杯理解しようと背伸びしてたのに、他の女を大切にされたら傷つかないわけないよな。
あんな優しそうな顔は私は見たことがないって言ってたぞ。」
「えっ!!どうして、今頃そんな・・・。」
「敦美ちゃんは成長してるんだ。
あんたも先生をやってたならわかるだろう?
べつにあんたは女とベッドにいたわけじゃない。
けどな・・・敦美をしばりつけることもしちゃいけない立場だと思うけどな。
とにかく、ごたごたしてることをまずは片づけなよ。
そしたら、居所を教えてやるよ。」
「わかった・・・。これだけはわかってほしい。
俺は、敦美が嫌いになったわけでも、あのときの女性を恋人扱いにしたわけでもなくて、相手は幼なじみで花屋の長男と婚約解消になったことに泣いていたから・・・それなのに、同じ会社の店で働いてたから・・・かわいそうになっただけだ。」
「なぁ、どうしてその女長男と婚約解消になったのか聞いたのか?」
「いいや、まだそれは・・・。」
「もしかしたら・・・とんだ女狐なのかもしれないぞ。
花屋の長男とだめになって、まだ店にいて、それで享祐と会ったら抱き合って泣くって・・・何か思い出さないか?」
「それは・・・昔の俺の・・・。
まさか。彼女は一時向かいに住んでいた幼なじみで、よくうちに・・・うちに・・・なんで来てたんだろう。」
「敦美ちゃんはその辺が女の勘が働いちゃったのかもな。
まぁ、そっちのごたごたをまず解決してくれ。
じゃあな。」
「お、おい、冬弥!!敦美はどこだ!!
冬弥!・・・・・くっ、きられた。」

