敦美は、翌日は午後から都築陽向と会う約束をしていた。
朝のうちに持ち物や化粧、ドレスアップなど婚約してもらうのに失礼がないように準備をしていた。
そして、12時すぎには陽向が敦美を迎えにきて、陽向の会社近くのレストランに着いた。
「とりあえず、食事をすませよう。
今日は2人にとっての記念の日だからね。
時間はたっぷりあるし、まずは久しぶりのデートを楽しもう。」
「はい。」
食事をして、海が見える公園まで歩き、喫茶店で敦美が大好きなイチゴのケーキをほおばる。
「そのケーキいつもだね。」
「ええ、もうスーパーとかじゃ、イチゴの販売は終わってるでしょ。
余計に食べたくなっちゃうの。」
「あはっはは。確かにいえてるね。
そんなかわいい君にそろそろプレゼントを渡さないとね。
僕の気持ちといっしょに。」
「あ、あの、外に・・・さっきの海のところでお気持ちをきかえてほしいです。
ここはお店だから、ちょっと・・・はずかしくて。」
「そうだね。祝ってもらうにしてはさびしい人数だし、出よう。」
海を見ながら、陽向はポケットから指輪の入った箱を取り出した。
「約束の日が来たね。
君の想い人だった彼は、遠いところでやっていくだろう。
これで、君は前に進める。そうだね。」
「ええ。」
「じゃ、今日は君が新しく前に進む日、そして僕が君に結婚を申し込む。
高瀬敦美さん、僕と結婚してくれますか。」
「あ・・・はっ・・・えっ?」
敦美は陽向にプロポーズされたはずなのに、すっとんきょうな声をあげた。
「うそ・・・なんで?これサプライズなの。どうして?」
陽向の後ろから歩いてきた男は、スーツをパリッと着こなして、笑顔でポケットからキラキラ光る青い指輪を取り出して、敦美の手をとり、すばやく薬指にはめてしまった。
「ぬぁ!な、何なんだ!君はぁ!えっ??
あんたは結婚式なんじゃなかったのか?」
「ああ、田神の関係者たち、そして、都築の家の人たちみんな祝っているよ。
君の兄さんの結婚式をね。」
「ど、どういうことなんだ!」
「都築愁さんは梨香さんとずっと前から、仲のいい恋人どうしだった。
でも2人とも若かったから、愁さんは都築家で認めてもらえなかった。
そして梨香さんを守ることもできなくて大ピンチだったのさ。
そこで、俺の本当のオヤジ殿のちょっとした気まぐれが起こってしまった。
田神享我が梨香さんと結婚したかのようにふるまい、子どもも育っていった。
愁さんは制限付きでないと、我が子にも会えなかったのさ。
そのくらい、君の家の人々はうるさかったんだろう。
でも、子どもたちも成長して、自分の意見を言えるようになってきた。
自分たちが誰の子なのかも言えるようになった。
そして、男子たちはお母さんを守れるようになったのさ。」
「あ、あの・・・先生、質問です!」
「はい、高瀬!」
「どうして先生が梨香さんと結婚するなんて、話ができていたんですか?」
「うん、いい質問だね。最初から子どもたちが都築さんの子だとわかってしまうと、マスコミ攻勢が活発になって子どもたちも梨香さんも田神をあざむいていた悪い人間だと言われてしまうだろう?
そこで、妾腹でも実の子の俺が家の事業を継ぐとなれば、マスコミはみんな俺のところに飛びつく。
子どもにくらいつくことはまずない。
あとで、いろいろわかるのは、仕方ないが、そのときは・・・都築グループや愁さんが梨香さんと子どもたちを守ってくれるわけさ。
もちろん、優しいおじさんもね。」
朝のうちに持ち物や化粧、ドレスアップなど婚約してもらうのに失礼がないように準備をしていた。
そして、12時すぎには陽向が敦美を迎えにきて、陽向の会社近くのレストランに着いた。
「とりあえず、食事をすませよう。
今日は2人にとっての記念の日だからね。
時間はたっぷりあるし、まずは久しぶりのデートを楽しもう。」
「はい。」
食事をして、海が見える公園まで歩き、喫茶店で敦美が大好きなイチゴのケーキをほおばる。
「そのケーキいつもだね。」
「ええ、もうスーパーとかじゃ、イチゴの販売は終わってるでしょ。
余計に食べたくなっちゃうの。」
「あはっはは。確かにいえてるね。
そんなかわいい君にそろそろプレゼントを渡さないとね。
僕の気持ちといっしょに。」
「あ、あの、外に・・・さっきの海のところでお気持ちをきかえてほしいです。
ここはお店だから、ちょっと・・・はずかしくて。」
「そうだね。祝ってもらうにしてはさびしい人数だし、出よう。」
海を見ながら、陽向はポケットから指輪の入った箱を取り出した。
「約束の日が来たね。
君の想い人だった彼は、遠いところでやっていくだろう。
これで、君は前に進める。そうだね。」
「ええ。」
「じゃ、今日は君が新しく前に進む日、そして僕が君に結婚を申し込む。
高瀬敦美さん、僕と結婚してくれますか。」
「あ・・・はっ・・・えっ?」
敦美は陽向にプロポーズされたはずなのに、すっとんきょうな声をあげた。
「うそ・・・なんで?これサプライズなの。どうして?」
陽向の後ろから歩いてきた男は、スーツをパリッと着こなして、笑顔でポケットからキラキラ光る青い指輪を取り出して、敦美の手をとり、すばやく薬指にはめてしまった。
「ぬぁ!な、何なんだ!君はぁ!えっ??
あんたは結婚式なんじゃなかったのか?」
「ああ、田神の関係者たち、そして、都築の家の人たちみんな祝っているよ。
君の兄さんの結婚式をね。」
「ど、どういうことなんだ!」
「都築愁さんは梨香さんとずっと前から、仲のいい恋人どうしだった。
でも2人とも若かったから、愁さんは都築家で認めてもらえなかった。
そして梨香さんを守ることもできなくて大ピンチだったのさ。
そこで、俺の本当のオヤジ殿のちょっとした気まぐれが起こってしまった。
田神享我が梨香さんと結婚したかのようにふるまい、子どもも育っていった。
愁さんは制限付きでないと、我が子にも会えなかったのさ。
そのくらい、君の家の人々はうるさかったんだろう。
でも、子どもたちも成長して、自分の意見を言えるようになってきた。
自分たちが誰の子なのかも言えるようになった。
そして、男子たちはお母さんを守れるようになったのさ。」
「あ、あの・・・先生、質問です!」
「はい、高瀬!」
「どうして先生が梨香さんと結婚するなんて、話ができていたんですか?」
「うん、いい質問だね。最初から子どもたちが都築さんの子だとわかってしまうと、マスコミ攻勢が活発になって子どもたちも梨香さんも田神をあざむいていた悪い人間だと言われてしまうだろう?
そこで、妾腹でも実の子の俺が家の事業を継ぐとなれば、マスコミはみんな俺のところに飛びつく。
子どもにくらいつくことはまずない。
あとで、いろいろわかるのは、仕方ないが、そのときは・・・都築グループや愁さんが梨香さんと子どもたちを守ってくれるわけさ。
もちろん、優しいおじさんもね。」