享祐は今夜もラッキーとしてチャットにやってきた。


「こんばんわ!ジョディです。
どうしたんですか?そういえばラッキーさん、ここ今週でなくなっちゃうらしいです。」


「えっ?どういうこと?」


「運営会社が何かの事件で摘発されたとかで、閉鎖するんですって。
今日になって通告があったんです。

私まだ、ここにきたばかりだから、残念です。
ラッキーさんともお会いしたばかりなのに・・・悲しいです。」


「そうだね。じつは僕も、ここに来たのは懐かしい友人がここに来てたらしいって情報があったからで、もう来ないつもりだったんだけどね。

そんなときに、ジョディさんと話せたから。
偶然とはいえ、いきなりのさよならは悲しいですね。
あの、ジョディさんさえ、嫌じゃなかったらべつのチャットとか利用してみませんか?」


「でも、それっていろんな人が利用するところですよねぇ。
私、そこまでネット時間にさけるかどうかわからないので、もういいです。
学生だし、私家族と離れて暮らすのは初めてだから、やることも多くなると思うし・・・。」


「家族と離れてって・・・じゃあ、君は寮とか下宿生ってこと?」


「あっ・・・いえ。その・・・私。」


「ああ、ごめん誤解させちゃった?
べつに僕は君の家に行きたいとか言わないよ。

あくまでもネット友達として付き合うつもりだから、単なる興味なだけ。
深く考えないで。ごめんね。」


「そうなんだ。私もちょっとびっくりしちゃって。
そうですよね、顔も知らないですもんねーーー!

私ね、学生寮に初めて入って生活するんです。
以前は家族と家に住んでいたんですけど、事情があって、みんないっしょに住めなくなってしまって。
だから、寮へね。
そんなときにラッキーさんみたいな明るい人に会えて、へこまなくて済んだなぁって思ってました。」


「そっかぁ。じゃ、僕はジョディさんの応援団ってことだね。
独立を応援してあげるし、ひとり暮らしのお得情報もあれこれと教えてあげるよ。」


「ラッキーさんはひとり暮らしなんですか?」


「うん。もうかなり長いかな。
だから、おいらにドンと任せておきなさぁ~い!

そうだ。とりあえず、僕のメルアド教えておくね。
チャットはレンタルのでも用意だけしておくよ。
お互いにパソコンの前についてるのがわかったら、チャットをしようか。」


「いいですね。
私、メール出しますね。
まだ、アドレスもはっきり決まってないので、決まったら送ります。」


「うん、待ってるよ。」