早川彩澄の華麗なる日々


「ありがとうございます」と店長に述べ、店員に対しては「頑張って下さいね」と激励の言葉を口にした早川は、お盆の上に箸やフォークを用意し、男達が飲む部屋に再び入っていく。


早川を見送った店長が、その場にいた店員に告げる。


「中で行われることは見ない方がいい。見なければ知らなかったで済むし、知らない方がいいことがあるから。それと、明日から早川さんは来ないから、忙しくなるよ」


淡々とした説明に「そうですか」と答えるしか出来なかった。


店長からは見るな知るなと言われたが、何が起きているのか気になってしまう。店長が立ち去り、隙を見て部屋を見ようとした店員は、襖に近寄ったことで聞こえてしまった。


男達の悲鳴と思しき声が。



……中を見るのは止めにした。



《こうして彼女は伝説となる》