「いや、本当に気にしてないから。だから、そんな……」
「気持ちは判るけど、これ以上謝るとこの人が悪者に見られるよ」
早川と連れの男からそれぞれ言われ、ようやく頭を上げた少年は、最後に一礼と「すみませんでした」の言葉を早川に向けた。
それに対して早川は穏やかな笑みを浮かべ、「いえいえ」と左手をヒラヒラと振って答える。それを見届けた少年と連れは背を向けて歩き出した。
仕事モードでなければ、どうにも自分はスマートでいられない。そんな風に思いあぐねながら、早川は街を歩く。
その後、早川の休日は何事もなく過ぎ去っていった。
《早川彩澄の瀟洒な休日》



