早川彩澄の華麗なる日々


「あー、すみません。さっきのカップルにいちゃもん付けられてて……立岡(たておか)君――こっちの彼が男を蹴り飛ばしたんですが、あなたが後ろにいることは見えなかったようで」


苦笑いと形容出来るか微妙な薄笑いを浮かべる男が、立岡という名の少年をフォローするように言葉を発する。


「お怪我は……本当に、すみませんでした」


「いや、そんなに謝らなくても……」


必死に頭を下げる少年、その謝りようはファミレスで運んでいた飲み物を客に溢してしまった店員のようだ。


だが、それとは別に早川には驚きがあった。目の前の少年は、ハイヒールを履いているとはいえ早川よりも身長は低く、小柄と形容出来る体格だ。そんな彼が二回りも大きい男を蹴り飛ばすとは、意外なことのように思う。


そんなことはさておき――