「責任も何も、僕が謝ることといったらぶつかったことだけど、それはお互い様でしょ?」
「お前がユリにぶつかって服を汚したんだろうがッ」
「飲みながら歩いていたそっちが悪い。自業自得じゃん。僕も服は汚れた。謝ってほしいのはこっちさ」
背の高い男に遮られて、早川が立っている場所からは見えないが、言い合いになっている男――声からして中高生ぐらいだろうか――がいるようだ。
何となく、状況は理解した。目の前のカップルに非があるようだ。見た目からくる印象もあるのは否定しないが。
このまま素知らぬ顔で通り過ぎるほど、早川は薄情ではない。ここはまずこちらに意識を向けてもらおうと、早川は男の肩を叩こうとして片手を上げ――



