早川彩澄の華麗なる日々


早川は年下の店員を庇うように前に出て、男達に向けて淡々と、笑顔を浮かべて告げる。


「申し訳ありませんお客様。そのような発言を聞いてしまった以上、善良な史倉市民として警察に通報しなけれぱならないのですが」


「は?警察?」


男達にとっては、何の脈絡もなく出てきた単語だった。


「法律により定められております。『暴力行為等処罰ニ関スル法律』という名称です。要点を申し上げますと、暴力団の名を出しての恐喝などにはそれ用の刑罰が処される、ということです。さて、これより私は当店より歩いて五分の交番に直接電話を掛けたいと思いますので、少々席を外します。

なお、お客様方がもし仮にここで暴れるようなことがあれば相応の処置を取らせて頂きます」


そう言いながら、早川はお盆の上に置いた籠からナイフを一本手にする。