早川彩澄の華麗なる日々


流れるように語られる話に、瀬ノ内は口を挟むことが出来ない。それは呆気に取られているというよりも、相手が早川だからという理由が大きい。


アルバイトとは言え特別扱いされる存在だ。その理由は瀬ノ内も納得し、自分の目でもそれを実感している。だからこそ早川には何もしていなかったというのに。


「は、はあ?違うって。それは私を貶めようと――。だ、誰?そんな法螺言ったのは。というか、私はただ良かれと思って注意してて、それを逆ギレした――」


『ちょっと、注文間違ってるんじゃないよッ』

『いや、瀬ノ内さんからこれだって――』

『私が間違ってるはずないでしょ?あんたのミスなんだから謝りなさいよ。ホント使えない。さっさと辞めたら?』


瀬ノ内の言い分を遮るように聞こえたのは、自身の声と「沖田(おきた)――ッ」


恨みを込めたように一人の人名を呟く瀬ノ内。


あの女が早川に告げ口をしたのか。そう考えると顔が醜く歪む。