早川彩澄の華麗なる日々



休日の昼下がり、修羅場が発生しました。


「……それで?」


「…………いや、だから……」


「もうとっくに私の親にも勇輔(ゆうすけ)の両親にも挨拶済ませて式場の予約して結婚の招待状出したのに、私とは別れるんだね。別の人との子供が出来たから」


「……………………そう」


「それで、式場のキャンセルの費用は私と半分、慰謝料も払わない。私には申し訳ないけれど、未来ある子供の為におおらかな気持ちをもってほしい。それは私の為にもなるから……ね」


「…………判って……くれる?」


勇輔と呼ばれた男はただ項垂れていたが、女の最後の言葉に僅かな希望を見出だしたように顔を上げる。


何故そんな話をファミレスでするのか。深海の底にいるような重苦しい雰囲気に、隣に座る客は会話も出来ない。