「ちょっとアンタッ、何うちの子にぶつかってんのッ。しかも服汚して――どう責任取るつもり!?」
しゃがんで子供を抱き上げるようにしながら、母親は女性に向かって掴み掛かるような口調で言う。そもそもぶつかった原因は子供が走り回っていたからであり、女性が非難される謂れはない。
母親の態度を見て、早川は対処レベルを引き上げる。傍にいた店員に「あの女の人をお願いします」と頼んでから騒ぎの中心に入る。
「大丈夫ですかお客様」
状況が状況であるため、笑みは消して不安げな表情を出して近寄る早川。そんな彼女にも母親は文句を述べる。
「アンタ達も、子供がいるんだからちゃんと見てなさいよッ。仕事サボってんじゃないわよッ」
「お客様、ここは飲食店であり託児所ではありませんが?」
間髪容れずに言葉を述べる早川に、母親はポカンとした顔を見せる。



