早川彩澄の華麗なる日々



客で込み合うお昼の時間、それを無視して男は怒る。


「俺は急いでんだよ、急いでるこっちを優先するのが当たり前だろッ」


そんなの知るかよみんな待ってんだよと、静かに座って待つ他の客の視線を撥ね除け、男は高圧的に店員に怒鳴る。


すみません早川さん、と呼ばれて向かうは男の前へ。必死に対応していた女の店員は、早川の姿を見てほっと胸を撫で下ろす。


営業スマイルを浮かべた早川は、凄む男に近寄りそっと耳を打つ。


「お客様、当店より歩いて二分のところには何とセ○ンイレブンが御座います。一分一秒を争う事態でしたらぜひそちらへ行かれてはいかがでしょうか」


一瞬ポカンとした表情を浮かべた男は、ファミレスの店員が言った言葉の意味が判らず、二人の間に間抜けな沈黙をもたらした。