「なぁ、お前、歩っていうのかー?」


「…あぁ?」



突然話しかけてきた銀髪。


榊に負けて不機嫌な俺は、思わず睨みつけてしまった。


それに構わず、銀髪は続ける。



「俺と賭けをしねーか?」


「賭け…?」


「俺とタイマン張って、勝ってみろ。もし勝ったら、そのゲームはくれてやる」


「は!?いや、これ榊のだろ」


「真浩の了承はとってあるぞ。な、真浩」



銀髪がそう言うと、榊は笑顔で頷いた。


・・・本気で言ってんのか?



「……もし、俺が負けたら?」


「そのときは、そのときだ」



…なんつー適当な賭けだよ。



「誰がそんな賭けに乗るかよ。
……って、言いたいところだけど」



チラリと、銀髪を見上げる。



「アンタの力がどの程度か知りたい。
……その賭け、乗った」


「おっ!さすが話が分かるじゃねーか!!
いつやる?明日か?」



……明日?


ハッ、笑わせんな。



「俺だって暇じゃねぇんだよ。今だ」


「はっ…?今でいいのか?」


「何だよ、都合悪ぃのか?」


「いや、俺はいいんだけどよ……」


「ならさっさと済ませるぞ」



こんなくだらねー事に長々と付き合ってられっかよ。


1分で済ませてゲーム奪って帰ってやる。



「どこでやるんだ?ここか?」


「ここはさすがにやめようよー。ウチの庭広いから、そこでやってよ」



そう言われればそうか。


榊の言葉に納得し、俺たちは部屋を出た。