こっそりと溜め息を吐いて、抱えている不安や言えない想いを逃がしてみる。
そんなことしたって、何にもなりはしないのだけど。


受験のプレッシャーにも、誰にも言えない恋にも、私は耐えられるんだろうか?
いっそ、勉強に身を置けば恋なんて、忘れられるのだろうか?

楽しみながら、苦しみながら。
言えない恋を育てながら、笑いながら。



そんなプレッシャーを抱えた、18歳の秋―――…。
校庭の隅のあの桜は、裸で風に吹かれながらも、凛と立っていた。