「私、実は魔法使いなのよ」

ふふふ、と可憐に笑う彼女はどこか誇らしげだ。
肩まである、ふんわりパーマが彼女が動く度に揺れる。
揺れる度に、その髪から香る彼女の匂いにドキドキさせられていた。

「杖でも使って?」
「ちちんぷいぷい」

僕が話に乗っかると、人差し指を杖に見立てて呪文を唱える。
なるほど、その姿はどことなく様になっている気がする。