さくら、ひらひら。

待ち合わせ場所につくと、突然海斗は私を抱き締めた。
今までそんなこと無かったのに、それも外で、なんて。
動揺が広がる。
それと一緒に感じるのは不安。
海斗にこんな風に影響を与えるのはきっとあの人。
捨てられる、時が来るのかな?
海斗はあの人のもとへ、行っちゃうのかな?
そう思ったら、目頭が熱くなってきた。
どうやら、私の様子に気づいた海斗が私の顔を覗きこむ。

「……桜?何で泣きそうなの?」

その問いかけを合図に、私は、グッと海斗の胸を押し返した。
二人の間にできた隙間を風が吹き抜ける。

「海斗、の、大切な人のとこ、行っていよ……」

振り絞るようにして、言った。
差し出されたあなたの手を、自分から離す時が来るなんて、信じられなかった。