桜がふわりと舞う4月。
目指した大学で、オリエンテーションを受けていた。
合格した、入学できた!という喜びや実感は、忙しさに流されていく。
梓も小泉くんもいない、この場所で。
私は新たな時間を過ごす。

“友達できるかな?”なんて心境は、この先何年も生まれるものじゃない。
楽しもう。
切なくて苦しくて、甘かった、あの恋はもう胸にしまって。
前を向いて歩き出そう。
少ししかなかった春休みの間、ほんのちょっぴり、前向きになれた自分に気が付いた。