棚の前にしゃがみ込んだ親父は、
水色のアルバムを見て目を見開いた。
「おい、愛希。」
「なんだよ」
「この、アルバム見たか?」
「まだ、見てねぇ。」
「…そうか。
俺は、お前の親父だ。
だから言っとく、
傷つきたくねぇなら絶対にこれを見んな。
それでもいいと思うなら、見てもいいと思うけどよ。」
そういうと、
元あった場所に参考書を突っ込んだ親父。
そのまま、俺の方を振り返って、
「なんかあったら、家族がいんだからさ、相談しろよ。
莉奈も潤も凛も俺も心配してるからよ。」
そう言って俺よりも背が高い親父は、俺の頭をくしゃっと撫でて部屋から出て行った。


