ニコニコ顔の母さんに嫌な予感がする。

「ねぇ、愛希くん?」

「なに。」

「今日バイト休みよね?」

「まぁ、」

「へへっ?」

「なに?」

嫌な予感が大きくなった。

「あのね、醤油と、トイレットペーパー買い忘れちゃったんだよね。」

………


「へー。」

と言って、部屋に戻ろうとすると腕を掴まれた。

「買ってきてくれたらそのお釣り上げる。」

「その手につられるか。」

「へー、」

と言って、ちらっ、ちらっ、と見せてくる、

俺の弱みの写真。

「これ、待ち受けにしちゃおうかな?」

ニヤリ顏の母さんに渋々、わかったと返事をして、パーカーを羽織って家を出た。