私の目の前にさっちゃんが座ったのを確認して、 私は笑って話し始めた。 「あのね、私病気なんだって。」 「…は?」 目を見開くさっちゃんの顔。 泣いちゃだめ。 泣いちゃだめだよ。 誰かの前で泣いちゃだめだよ。 何のために病院で我慢したの? 「私ね、白血病なんだって。」 さっちゃんの表情はだんだん曇っていく。 それもそのはずだ。 さっちゃんの最愛のお兄ちゃんも、白血病で亡くなったから。