「望愛、起きろ。」 愛希くんの声が聞こえる。 いい夢だなぁ… 「おい、望愛。」 「…ん〜。」 愛希くん〜。 私は声のほうに腕を伸ばした。 それと同時に引っ張られる腕。 そして、 「何だよ、この痣。」 愛希くんの低く、鋭い声。 はっと目を覚ますと、 痣だらけの腕を凝視する愛希くん。 私は慌てて、 「あ、私も気づかないうちにできてて、 変だよね、」 と笑って見せた。 だけど、 朝だからなのか、 だるさが私を襲っていた。