会えるはずないのに。
バイトで疲れて寝てるかもしれないのに。
ごめん、ごめんね。
愛希くん。
ボロボロと涙が止まらない。
何分泣き続けていたんだろう。
10分?
いや、5分?
だけど、
だけどね、
何分経っても、何時間経っても何年たってもこの気持ちだけは、変わらない。
「愛希くんに、会いたいっ。」
ガチャッ。
廊下の光が薄暗い部屋に差し込んだ。
「っ、やっと、やっとっ、わがまま言ってくれたなっ。」
そう言って、抱きしめてくれた愛しい人。
「うぅっ、愛希くんっ…。」
「ごめんなっ。
本当に、ごめんっ。」
「ううんっ。
私こそ、ごめん。
ごめんねっ。」
涙を流しながら抱き合う私たち。
本当にごめんね。


