「あ、お金…。」

呟いた言葉は届くこともなく消えていった。

なんとなく斜め上を見ると、

ずっと見たかった映画のポスター。

だけど、愛希くんといれるだけで幸せだから。


すると、すぐに戻ってきた愛希くんに

「あ、お金!」

と言って財布からお金を出そうとすると止められた。

「え?」

「デートくらいカッコつけさせろよ。」

そういってはにかむ愛希くんに胸がときめいたのは言うまでもない。