昇降口で靴を履き替えて、 そのまま、走り抜けた。 校門には、さっちゃんの姿があって、 「、さっちゃんっ!」 「望愛?」 「さっちゃぁんっ。」 「望愛っ!」 さっちゃんは私のところまで駆けてきて、 そのまま抱きとめてくれた。 「さっちゃんっ、さっちゃん。」 泣きながら抱きつくと、 「どうしたの? 望愛。」 「もう、いやぁっ。」 「望愛!」 後ろからは愛希くんの声。 いやだ。いやだ。 その想いが伝わったのか、 「こっちくんな!」 さっちゃんの怒鳴り声。