莉奈さんが先に部屋に入った。 「母さん、佐藤は?」 中から聞こえる愛希くんの声。 あぁ、思い出してないんだね。 もう、愛希くんは、 望愛と、呼んでくれることはないんだね。 ボロボロ涙がこぼれた。 私は静かに二宮くんの家を出た所で 泣き崩れた。