病院に着くとすぐに、 蓮さんと中に走って行った。 診察室の前にはぐったりとした愛希くんと、 膝枕をしてる莉奈さんの姿があった。 「愛希。」 心配そうな蓮さんの声に心が締め付けられる。 「あ、蓮、望愛ちゃん。」 「お久しぶりです。」 「ひさしぶり。」 「愛希は?」 「今、診察終わって風邪って あとやっぱり、記憶戻ったかもしれないって。 とりあえずは、家で安静にしてろって。」 と、愛希くんを見つめる顔は、まさにお母さんとお父さんの顔で。 私は、唇を噛み締めながら愛希くんを見つめていた。