あたしはその文字に首を傾げた。


普通、あの掲示板には次の停車駅の名前が流れているはずだ。


それなのに、残り30って何?


不思議に思い、掲示板をジッと見つめていた時、突然強い衝撃があり、あたしは小さく悲鳴を上げた。


その衝撃は電車が何かに激突したような衝撃で、あたしの体は左右に揺さぶられ、座っている状態でもバランスを保つことができなくなっていた。


車内のあちこちから似たような悲鳴が上がり、バランスを取れなくなった人たちが通路に投げ出されてしまっている。


あたしは椅子の上でうずくまり、投げ出されないよう必死に椅子の皮を掴んでいたのだった。