「──オイオイ、普通は先に俺達に報告すんだろ」
「まぁまぁ、そう言うなよ。アイツ等はりっちゃんの為に喧嘩してたんだから」
……っ、煌、彼方?
いつの間に移動したのだろうか。
振り返ると、十夜と煌はいつの間にか三人の元へと戻っていて。
呆れた顔。
苦笑。
満面の笑み。
各自各々の表情であたしを見ていた。
十夜……。
四人の一歩前に立っている十夜と目が合う。
あたしを見つめるその表情はいつもと変わらず無表情で。
だけど、どこか優しさを纏っている気がした。
一歩ずつ。
地面を踏み締めるように距離を縮める。
視線は交えたまま逸らさない。
此方へ真っ直ぐ歩いてくるその姿は、まるであたしが呼び寄せているかのように感じた。
十夜は数メートル先で立ち止まると、あたしから貴兄へと視線を移した。
あたしの隣には貴兄と優音。
そして、何故か獅鷹幹部の姿も。
皆いつの間に此方へ来たんだろう。
「………」
「………」
見つめ合う十夜と貴兄。
倉庫内に張り詰めた空気が戻ってくる。
さっきまであたしの名を呼んでいた鳳皇メンバーも、今は両総長の成り行きを固唾を呑んで見守っていた。
あたしはと言うと、どうしたらいいのか分からず、ただ二人を交互に見る事しか出来ない。


