「もし心変わりしたらまた追いかけ回してやるよ」
「ならないから!」
さっきの声色が嘘みたいにフッと意地悪そうに口角を上げる中田。
そんな中田に慌てて返事する。
「凛音、俺は今までの事を謝るつもりはない」
「あたしだって謝られても許す気なんかない」
「……だろうな」
フンッとわざとらしくそっぽを向いて見せると、中田はククッと喉を鳴らして笑う。
「もう獅鷹に手を出さないで」
声の音量を普通に戻した。
ここからは皆にも聞いて貰わなきゃいけない。
「出さねぇよ。お前が手に入らないんだ。出す必要はない」
中田も音量を普通に戻す。
いや、普通よりも大きく感じた。
まるで皆に聞かせるように。
「……もう“無駄”だと分かりきってるからな」
そう言った中田の表情は憑き物が落ちたかのように清々しくて。
中田の中ではもう全てが終わったんだと感じ取れた。
それを見て、あたしもようやく終わったんだと実感する。
……終わった。
抗争が終わった。
終わったんだ……。
そうホッと一息ついた時。
「凛音ちゃん!!」
「凛音さん……!!」
……え?
突然、複数の声に呼ばれた。


