Ri.Night Ⅳ


当たっていた。

あたしはあの会話で絶対抗争を止めなきゃいけないと思ったんだ。


その為には二人を尾行しなければいけない。


何が何でも止めてやる。

そう思った。



貴兄はそんなあたしの行動を全て読んでいたんだ。


そしてそれを逆手に取り、この計画を立てた。




「案の定凛音は俺達を尾行してきた。俺達は尾行しやすいように徒歩で家を出て、大通りで車に乗り込んだ。

勿論、凛音がすぐにタクシーに乗れるように上手いことタクシーを引き連れてな」



……っ、そんな細かい所まで計算されてたの?



そう言えば、あの時変だと思った。


いつもなら家の前で車に乗り込むのに、今日に限って大通りで乗り込んだ。


まさかあれがあたしの尾行をしやすくする為だったなんて……。



驚きすぎて言葉が出てこない。


ただ貴兄から繰り出される言葉を耳で捉えるだけ。


理解するのがやっとだ。



「タクシーを工場へ誘導すると、俺達は先に工場の中へ入った。

入る時、凛音が追って来やすいように少しだけ扉を開けておいた」


「……うそ」



アレ、わざと開けてたの?



いくつも並んだ古い扉の中で一つだけ開いていた扉。


それを見た瞬間、貴兄達はこの中に入って行ったと思った。


まさかそれさえも道標としてわざと残していたなんて……。