当たっていた。
あたしはあの会話で絶対抗争を止めなきゃいけないと思ったんだ。
その為には二人を尾行しなければいけない。
何が何でも止めてやる。
そう思った。
貴兄はそんなあたしの行動を全て読んでいたんだ。
そしてそれを逆手に取り、この計画を立てた。
「案の定凛音は俺達を尾行してきた。俺達は尾行しやすいように徒歩で家を出て、大通りで車に乗り込んだ。
勿論、凛音がすぐにタクシーに乗れるように上手いことタクシーを引き連れてな」
……っ、そんな細かい所まで計算されてたの?
そう言えば、あの時変だと思った。
いつもなら家の前で車に乗り込むのに、今日に限って大通りで乗り込んだ。
まさかあれがあたしの尾行をしやすくする為だったなんて……。
驚きすぎて言葉が出てこない。
ただ貴兄から繰り出される言葉を耳で捉えるだけ。
理解するのがやっとだ。
「タクシーを工場へ誘導すると、俺達は先に工場の中へ入った。
入る時、凛音が追って来やすいように少しだけ扉を開けておいた」
「……うそ」
アレ、わざと開けてたの?
いくつも並んだ古い扉の中で一つだけ開いていた扉。
それを見た瞬間、貴兄達はこの中に入って行ったと思った。
まさかそれさえも道標としてわざと残していたなんて……。


