Ri.Night Ⅳ



「今日の朝、俺等ちょっとした小競り合いしただろ?」


「う、うん……」


それって多分チョップされた時の事だよね?


それが……?

 

「その後、お前は貴兄を呼びに行った筈だ」


「………」


「呼びに言った時に聞いたんだろう?貴兄の会話を」



その問いかけに心臓がドクンと大きく飛び跳ねる。


あの時の光景が脳裏に浮かび上がった。



数センチ程開いた扉から聞こえる貴兄の緊迫した声。


普段の声とは違い、その声は“獅貴王”そのもので。



「貴兄の電話の相手は俺だ」



あれは、真実としか思えなかった。



「そんな……あれが、あれが……」



全て、仕組まれた事だと言うの?



「俺が何かしらの理由をつけ、お前を貴兄の部屋へと向かわせる。

そしてその後、タイミングを見計らって貴兄に電話をかける。それが俺と貴兄の計画だった。

お前は何の疑いもなく貴兄の部屋へ向かい、俺等の会話を聞いたんだ」


「………」



頭が……上手く働かない。


理解、出来ない。



あれが……二人の仕組んだ罠だったって言うの?演技だったって言うの?


そんな、まさか……。



「俺は凛音にあたかも鳳皇と抗争するかのような会話を聞かせた」


「………」


「この会話を聞けば凛音は絶対尾行してくる。凛音の性格上そういうのは放っておけないと知っていたからな」