「一応その策を探ってみた。だが何も掴めなかった。
そこで俺は最悪のシナリオを思い浮かべてみたんだ」
「………」
「それは、外にいる中田側の人間とDが一斉に押し寄せてくること。
Dを含めると中田側の人間が相当な数に上るという事は分かっていた。
獅鷹は数が少ない。強い人間が揃っていても数で押される可能性がある」
確かに獅鷹は人数が少ない。
強者は揃っているけど、鳳皇みたいにいくつも傘下を抱えている訳ではない。
強くても所詮人間。闘い続ければやがて体力が尽きるだろう。
貴兄はそれを恐れていたんだ。
「倉庫で鳳皇と対面した時に中田を裏切るという手も考えたが、獅鷹と鳳皇が揃った事でDが出てこない可能性がある。
俺は凛音の為にどうしてもbladeとDを潰しておきたかった。だからこの計画を立てたんだ。
外にいる中田側の人間を倉庫の中へ入れ、鳳皇に出来るだけ中田側の人間を潰して貰う。そうすればピンチに陥った中田がDを呼ぶと思ったからな」
確かに貴兄の言う通りにすれば数は減らせるけど、そんなに上手くいくの?
「確実にDをおびき寄せる為にはある事をしなければいけなかった」
ある事?
「それは、獅鷹が仲間だと信じ込ませる事」
「獅鷹が仲間だと信じ込ませる?」
「そう。それが唯一の策だ」
「唯一の策……」
そう小さく零すと、貴兄はゆっくりとあたしの方へと振り向いた。
「……あぁ。その策はお前だよ、凛音」


