Ri.Night Ⅳ




「──喧嘩が始まる前、俺は十夜に聞いた」



突然話し始めたのは煌。



「その時十夜は“変更はない”と言った。だからそのまま実行に移したんだよ。

けどな、ぶっちゃけ焦ってた。俺等が闘う相手は獅鷹幹部ではなく“D”だ。

それなのに、俺等鳳皇幹部の相手は獅鷹幹部。本気で来るとなったら“D”どころじゃなくなる。軽傷じゃ済まされないかもしれない。

……けど、それは余計な心配だった」



余計な心配だった?


一気に言葉を並べた煌が急にその口を止め、何故か嵐ちゃんに目を向けた。



「拳を交えてすぐ、奴はこう言ってきたんだよ。

“俺達の敵はDだ。中田と組んだのはDをおびき寄せる為。俺達に協力しろ”とな」


「まさか……」



中田の表情が固まる。


衝撃が強すぎて言葉にするのもままならない。


本当に“まさか”だった。


あの時、皆は本気で闘ってなかった?

闘うフリをしてただけ?




「中田、お前も聞いてただろう?俺と桐谷の会話を」


「………」


「俺達は“遊んでた”んだよ。──時が満ちるまでな」



時が満ちる、まで?


あ……。


今、貴兄の言ってる意味が分かった。


獅鷹が殺られたフリをし終わるまで、だ。


貴兄は獅鷹が殺られたと思わせる為に時間稼ぎをした。


でも何故こんな手の込んだ事を……。