「俺は凛音を鳳皇から引き離してから真っ先にした事がある。それがさっきまで言っていた中田の下っ端を見張る事だった」
「………」
「中田の素性は凛音を無理矢理連れ戻していた時に調べてたんだよ。けど、その時はまだ“D”の存在を知らなかった。だから更に視野を広げて情報収集したんだ。
そして探し回った結果、やっと“D”の存在を突き止めた。
上手いこと隠してたよな。結構手こずったよ」
貴兄はそう言うと、苦笑混じりに中田を見据えた。
……貴兄。
貴兄はあたしが塞ぎこんでいる時、裏で中田を探していてくれてたの?
あたしを一人にしないように様子を見ながら探していたの?
そんな事してくれてたなんて、
あたし、知らなかったよ……。
「Dの存在を突き止めたのは誉めてやろう。だが、その後俺等が接触した時には知ってる素振りなど見せなかったよな?あれは演技か?」
「……いや、俺達は本当に知らなかったんだよ。知っていたのは“D”という名前と何処にも屯(タムロ)していないという事だけ」
「………」
「けど、“ある奴”が現れてくれたお陰で“D”に近付く事が出来た」
貴兄がゆっくりと振り返り、ある一点を見つめる。
それは──
「……俺?」
「そう。お前だ、宮原」
陽、だった。


