「だが、俺達は気付いてしまった」
「何、を……?」
思わずそう問いかける。
すると十夜は此方に目を向け、口を開いた。
「中田と獅鷹が鳳皇を見張っている事に」
「……っ」
十夜の真っ直ぐな視線が心を貫く。
何も……応えられない。
「それを知った時、迷った」
迷った?
「見張っているという事は此方に何か仕掛けてくるかもしれないと思ったからだ。
俺達は獅鷹と殺り合うつもりはなかった」
「………」
「お前の気持ちを知っていたから」
「十夜……」
そうだ。十夜はあたしの気持ちを知っていた。
貴兄と喧嘩して欲しくないと思っている事に気付いてくれていた。
だから──
「初めはこれ以上凛音に近付かせないようにする為、俺達を潰そうとしているのかと思った。
けど、その考えはすぐに消えた。何故なら──」
そう言った十夜はあたしから貴兄へと視線を移した。
二人の視線が絡み合う。
「俺はお前が凛音を哀しませる訳がないと思ったからだ。
危険を犯してまで妹を取り戻しに来るぐらいだ。大事にしている事ぐらいすぐに分かる」
「………」
「凛音が獅鷹と鳳皇に喧嘩をして欲しくないから真実を告げた事、俺が気付いてお前が気付いていない訳がないだろう?」
「………」


