「なっ……!?」
「………っ」
予想外の言葉に驚くあたしと中田。
驚きすぎて何の言葉も出て来ない。
貴兄はそんなあたし達に追い討ちをかけるように続けた。
「鳳皇を見張っていた事もまた事実だ。けど、それは鳳皇の出方を見ていただけの事。
中田、お前は凛音がいなくても鳳皇を潰そうとしていた。そうだろう?」
「………」
無言は肯定を意味しているのか、中田は何も言わずに下唇を噛み締めている。
「中田だけじゃない。鳳皇、お前等も中田を潰そうとしていた筈だ」
「あぁ」
「そして、凛音を取り戻そうとしていた」
え?取り戻そうとしていた?
「そうだ。俺達は凛音を取り戻したかった。だが、中田との決着がまだついていない。そんな中で獅鷹の元へ行っても取り戻せないと思った。
中田を潰してからじゃないとまた凛音は狙われる。そう思ったから中田を潰そうと思ったんだ」
「……十夜」
今、理解出来た。“あの時”の十夜の言葉。
マンションの外階段で言ってたあの言葉。
“けど、その前にやらなきゃいけない事があった。いや、ある”
それはこの事だったんだ。
十夜の言ってた“やらなきゃいけない事”って中田を潰す事だった。
十夜はあたしが安心して戻れるように、
そして、貴兄を説得しやすいように中田を潰そうとしていた。


